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贈与税の課税原因

 個人が、個人から財産の贈与(贈与者の死亡によって効力を生ずるいわゆる
 「死因贈与」を除く。)を受けた場合には、その取得した財産に対して贈与税が課
 税される。

 贈与による財産の取得に対して贈与税を課税することとしているのは、
  @財産の贈与を受けることにより、受贈者の担税力が増加すること
  A相続又は遺贈(「死因贈与」を含む。)による財産の取得に対して相続税を
 課税することとしている税制の下においては、仮に贈与による財産の取得に対
 して贈与税を課税しないこととした場合、あらかじめ生前において相続人に対
 して財産を贈与することによって相続財産を減少させ、相続税の負担を軽減す
 ることができることになり、負担の公平が図られなくなるおそれがあるため、こ
 れを防止し、負担の公平を図るために設けられたものであるといわれている
 (相続税の補完税としての贈与税)。
 
 ところで、贈与税が個人からの財産の贈与だけをとらえ、法人からの贈与につ
 いてはその対象から外しているのは、贈与税は相続税の補完税であるところ
 から、相続や遺贈に関係のない法人からの贈与について贈与税を課税する必
 要がないと考えられている。もっとも、その場合には一時所得等として所得税
 が課税されることになる。

 なお、贈与による財産の取得は所得の増加に他ならないので、所得税の課税
 関係も生じてくる。しかし、贈与による財産の取得については贈与税を課税す
 ることとしていることから、その所得については二重課税を排除する趣旨で所
 得税は非課税とされる。


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