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Q47 居住用宅地の遺産分割の方法について

Q 被相続人甲の遺産である宅地の上には、甲居住用家屋(甲とその配偶者乙と
  が居住)と長男Aの居住用家屋(Aとその家族が居住。なお、甲とは別生計)の
  2棟の家屋が建っています。
  本件宅地を遺産分割するにあたり、甲所有の家屋の敷地に相当する部分につ
  いては、乙が取得し、A所有の家屋の敷地に相当する部分は、Aが取得する(
  将来的にはその敷地を譲渡して転居する予定)ことにして、遺産分割後の家屋
  と敷地の所有関係を整理したいと考えています。
  宅地の遺産分割(現物分割)の方法には幾通りかの方法があるそうですが、小
  規模宅地等に係る相続税の課税価格の計算の特例の適用や、将来Aがこの
  土地を売却することなどを勘案した場合、いずれの方法がよいでしょうか?

A @宅地を2分割して、分割後の宅地を乙・Aがそれぞれ単独所有する方法と、
  A宅地を2分割せず全体を共有(各自の持分を定める)方法があります。
  ご質問の件では、@の方法により遺産分割をしたい意向のようなので、その宅
  地を分筆して各人の所有とすることができます。
  この場合、乙は、取得する土地のうち甲の生前から甲所有の家屋の敷地と認
  められる部分について、小規模宅地等の特例の「特定居住用宅地等」として24
  0m2までの限度で80%の評価減をすることができます。
  また、全部の宅地について、乙とAとの共有とする場合には、甲の居住用部分
  であった宅地面積のうち、乙の持分に相当する部分について、「特定居住用宅
  地等」として80%の評価減をすることができます。
  最終的に乙・Aそれぞれの単独所有としたいのであれば、初めから分筆取得す
  るのがよいでしょう。


Q48 自宅以外で介護を受けている者
          の自宅敷地と居住用の判定


Q 被相続人甲は、養子A(女)とともに自宅に同居していましたが、数年前から老
  人性認知症を発症し、さらに3年前に悪化したため、甲の姪であるBの自宅に
  専ら介護のため引き取られていました。甲が介護を受けている間も留守宅はB
  が管理しており、甲の住民票も留守宅においたままです。
  今年9月に甲が死亡し、甲の留守宅とその敷地は甲の唯一の相続人であるA
  が相続しましたが、本件宅地は、小規模宅地等の特例の適用の対象となる居
  住用宅地等に該当すると考えてよいのでしょうか?

A このようなケースであっても、自宅(留守宅)に居住している親族Aが被相続人と
  生計を一にしている関係にあるならば、その留守宅の敷地は「被相続人等の居
  住の用に供されていた宅地等」に該当し、さらにAが相続により取得することに
  よって80%減額の対象となる「特定居住用宅地等」に該当することになります。
  ご質問では、戸建て住宅の所有者である被相続人が、生前、老人性認知症の
  介護を受けるため、自宅以外の場所に転居して介護を受けている状態で死亡
  しています。Aが、被相続人の姪B宅での介護費用や生活費の全部又は一部
  について、仕送りするとか費用負担をしていた等の事実関係があるのであれば
  「生計を一にしていた」ということができるでしょう。

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